
カリフォルニア州ロングビーチより: セント・ピーターズバーグの時と同じく、ロングビーチグランプリの時にもファイアストン社の「オルタネイト・タイヤ」(通常使用されるプライマリー・タイヤよりコンパウンドが柔らかい、通称レッドタイヤ)が使用された。念のために言っておくが、オルタネイト・タイヤはいつでも使える訳ではなく、今年はあと5試合、ストリート&ロードコースでのみ使用が許可されている。
「これも、観客の目を飽きさせない工夫の1つさ」
こう話すのは、ファイアストン・レーシングのエクゼクティブ・ディレクターのアル・スペイヤー氏。続けて、「通常のプライマリー・タイヤに加えて、オルタネイト・タイヤを導入したのは、ドライバーのためでもクルーのためでもない。皆が同じ車で、同じエンジンで、全く同じタイヤを同時にはいたとしたら、ドライバーの考えることは皆同じで、レース展開もつまらなくなる。オルタネイト・タイヤの装着を義務化し、その装着するタイミングをチームに任せる。誰がどのタイミングで、違うタイヤを装着してレースするか分からないし、チームごとに違ったタイヤ戦略を持つから、より激しいデットヒートが楽しめ、さらにファンの目をレースに釘付けにしようと考えたのさ。」
「多分、シーズン中にはドライバーやチームから、オルタネイト・タイヤについて批判的な声も出るだろうね。でも、繰り返し言うけれど、導入の目的はレーサーやチームの満足じゃないんだ。レースを見守るファンたちにとってどれだけエキサイティングなショーになるか、どれだけ満足してもらえるか、なんだよ。」
彼の語ったオルタネイト・タイヤ導入の目的は、セント・ピーターズバーグとロングビーチの二試合で達成されているかようにも思えた。
「オルタネイト導入に関して僕たちが予想していなかったことは、勝ち抜き戦方式での予選だから
とりあえず次の試合に進むためだけにオルタネイト・タイヤを使用するチームが出たこと。」「また、オルタネイトを体験したドライバーたちによると、走行時のグリップ感覚、コーナリング、アクセルの踏み込み具合など、今までのプライマリーと全く違うらしいよ。」と、スペイヤー氏。
試合戦略の良し悪しもあったかもしれない。しかし、セント・ピーターズバーグでのホンダグランプリ、ロングビーチでのトヨタグランプリの結果を見ると、タイヤ戦略を征したものに軍配が上がったようにも思われる。約2マイル、11つのターンのあるロングビーチの特設会場で、オルタネイトとプライマリータイヤでは1周あたり1秒近くの差がつくことが分かったのだ。
ターゲット・チップ・ガナッシレーシングから出場しているダリオ・フランキッティ氏はタイヤを完璧に使いこなし勝利を収めた。スタートでは前輪にオルタネイトを使い、16周目で早めにピットイン。
その後、プライマリーに換える際にはプライマリー・タイヤとの相性がよいと思われるカーナンバー10を使った。
IndyCarシリーズ9度目、且つ、初めてストリートコースを征したフランキッティ氏はこう言った。「オルタネイト・タイヤでの走行ペースは素晴らしかったよ。思うような走りが出来た。ただ、プライマリに比べると耐久性がない。これに対しプライマリーは着実で安定した走行が可能という特長があるからね」
タイヤに関するルールは下記の通り。チームは予選終了後1時間以内に決勝スタート時のタイヤを選択し、IRLに報告しないといけない。またプライマリーとオルタネイトを、レース中にどちらも最低1度ずつは使うことと、それぞれをグリーン中に最低2周装着することが義務付けられている。
スペイヤー氏によれば「セント・ピーターズバーグでは予想通りの展開が起こったよ。タイヤの選択、タイミング、タイヤ別の走行戦略はチームごとに全く違ったんだ。またタイヤそのものの違いより、それをどう使うかが勝負」とのこと。
ファイアストン社はタイヤごとの走行時のデータをチームに提供している。「新しい試みをしてみて、チームからの感想・意見を聞き、IndyCar リーグとも話し合いの場を持ち、来年2010年にはもっともっと面白いオルタネイト・プログラムにしたいと思っているよ。」と、スペイヤー氏は熱く語った。
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原作はこちら=>Indycar.com